「ブラッシングは髪に良い習慣」というイメージ、ありませんか。ツヤを出すために1日100回とかす、なんて話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
元美容師の私の本音を先にお伝えすると——私はブラッシングを極力しません。お客様にも、実はあまりオススメしていませんでした。
なぜなら、髪は擦れると傷むからです。ブラッシングが良いか悪いかは、結局「やり方」によります。今回は、プロの現場で見てきた「本当に髪が傷むとかし方」と、どうしてもとかすときに傷めないコツをお伝えします。
なぜ私はブラッシングを勧めないのか
髪の表面は、キューティクルといううろこ状の薄い層で守られています。うろこは根元から毛先に向かって重なっているので、この向きに沿って触るぶんには大きな問題はありません。
でも、ブラシやクシを通すという行為は、多かれ少なかれこのうろこを擦る行為です。回数が増えるほど、力が強いほど、髪への負担は積み重なっていきます。
だから私は「とかさなくて済むなら、とかさない」が基本です。ブラッシングは髪のためにやるものというより、絡まりを解いたりスタイルを作ったりするための必要なときだけの道具と考えています。
いちばん髪を傷めるのは「逆毛」です
やり方によって傷む、の最たる例が逆毛(さかげ)です。
髪を結んだりアップにしたりするとき、ボリュームを出すために髪を逆立てて、毛先から根元へ——つまりキューティクルの流れと逆向きにクシを入れることがあります。うろこを逆なでしてめくり上げる動きなので、これは本当に傷みます。
「じゃあ逆毛はやめましょう」と言いたいところですが、正直に言います。逆毛を入れないと、アップはまとまらないしボリュームも出ません。だから美容師も、アップスタイルを作るときは逆毛を入れます。傷むと分かっていても、それをしないと仕上がらないからです。
ですので、逆毛との付き合い方はこう考えてください。
- 逆毛は「髪を傷める技術」だと知ったうえで使う
- 結婚式や発表会など、特別な日のスタイルに限定する
- 毎日のポニーテールのために逆毛を立てるのは避ける
それでもとかすとき。傷めないブラシの入れ方
絡まりを解くときなど、ブラッシングが必要な場面はもちろんあります。そのときは、髪の長さで入れ方を変えてください。
ロング〜ミディアムの方は、乾いた髪に、毛先からブラシを入れます。いきなり根元からブラシを通すと、途中の絡まりを押し集めてしまって、髪は余計に絡みます。毛先を先にほどいてから、少しずつ上へ範囲を広げていくのが正解です。
ショートの方は、髪が絡まっていなければ根元から通しても大丈夫です。短い髪は絡まりが起きにくいので、ロングほど神経質にならなくて構いません。
どちらの場合も、毛先が絡まっていたら、まず毛先を解いてからブラシを入れてください。絡まりごと引っ張るのは切れ毛のもとです。
ブラッシングの詳しいタイミングと手順は、こちらの記事で解説しています。
→ ブラッシングのベストタイミングはいつ?元美容師が教える正しい方法と順番
まとめ。ブラッシングは「必要なときだけ、正しく」
今回のポイントをまとめます。
- ブラッシングは髪を擦る行為。必要なとき以外は、しないのもケアのうちです
- 逆毛はいちばん髪を傷めるとかし方。特別な日のスタイル用と割り切りましょう
- とかすときは乾いた髪に、ロングは毛先から、絡まりは解いてから
「毎日たくさんとかすほど髪に良い」は誤解です。むしろ、とかす回数を必要最小限にすることが、キューティクルを守るいちばんの近道ですよ。

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